【糸口】

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俺は声が詰まった、急にさっきの声が耳の奥に蘇って……場違いに心臓がバクバク言い出す。 ──もし、それが俺といる時だったら──あらぬことを想像して、自分で驚いた。 「あの、その……清水さんとは、何を……」 どストレートに聞いていた。 あおいはにこっと微笑む。 「歓談です」 言われて俺は拳を握り締めていた、歓談? どんな歓談だよ。 「正直に言ってくれ、端的に──セックスしてるんだろ?」 「はい」 可愛い笑顔だ、本当に、作り物とは思えない──なのにとんでもないことを平然と肯定した。 「──それって、違法行為じゃ?」 俺は努めて冷静に聞いた──これは職務と言い聞かせて──あおいは可憐とも言える笑みで話し始める。 「私はそれ専用には作られていません。でも使用者の扱い方により成長していきますので、結果的に使用者の好みにカスタマイズされた事は事実です」 「だから、幹部達の好みの、セクサロイドに?」 「歓談です」 にこりと笑う。 「だから、歓談の内容は」 「秘密事項です、今も見聞きしたことは決して口外するなと言われています」 俺は内心頭を抱えた、こりゃやっぱり尋問などしても導き出せやしない。 ん、でも待てよ? 「んじゃ……俺と話した内容も、俺が言わないでって言ったら誰にも喋らないって事?」     
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