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呟くような声に、俺は背筋が凍る。
「どうして……!?」
長島さんは俺を指で呼んで、二人して机に突っ伏すようにして額を突き合わせた。
小さな声で話してくれる。
「サーバーにあるとある女性型の基礎プラグラムにアクセスしたんだ。それをどこかに流出させた痕跡はないんだが、さすがに個別に、狙いすまして個体の情報にアクセスなんかしたもんだから、長谷さんがすんげー怒って」
うん……知ってる、俺が頼んだんだ。
「フィアは、そのアンドロイドが好きだったとか言ってる。でもそれは触れてはいけない情報で、それをフィアも知っていたはずなのに手を出した。そこを説明しないもんだから、そんな危険思想のアンドロイドは処分するしかないって」
「しょ、処分って……!?」
「よくてリカバリー、最悪、破砕処分。」
は、破砕……!?
「大事、なんじゃないんですか? 技術の粋が集まってるんでしょう?」
「んー、だからブラックボックスだけ付け替えかもしれないな? その点で言えば、フィアの代わりはいくらでもいるから」
そんな言葉に俺は怒りが沸く。
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