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エレベーターも幹部達の部屋があるところまでしかない、秘密のエレベーターでもあるのか? でもこの見取り図ではその存在は描かれておらず、階段の場所すら判らない。
(やってみるか……)
見取り図をジーンズのポケットにしまい、ワイシャツの下に隠していた薄手のボディバックからドライバーを取り出した。
天井の換気口に手を掛ける、ドライバー一本で簡単に外れた。
スパイ映画やなんかで、ダクトを使って移動するなんてよくあるのに、なぜここに監視カメラやセンサーすらないのか、いつも不思議に思うんだよね。
この建物もそうだった、ビル内を相当厳重に監視しているのにも関わらず、やはりダクト内はノーマークだ、単にコストや監視の手間、実際ダクト内を動き回る物好きはいないと踏んでの事だろうが……助かるけど。
但し、極端に狭い、俺などぴっちりはまっている状態だ、この先これより狭いところがあったら通り抜ける事は絶対に無理だ。
でも有り難いとこに、かなり狭いところもあったが進むことはできた、でもやはり少し痩せないと駄目だな。
4階分を上がるとそこは幹部達の執務階──確かに上はあった、単に屋上なのか? 俺は鼓動を早まらせながら進んだ。
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