【激情】

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あおいは驚いた様子で声を上げた、でもすぐに恥ずかし気に微笑んで俯く。 本当に、ロボットとは思えない反応だ──。 「あおい、明日必ず来る、もし連れ出されそうになったら、なんとか言い訳してここに残ってくれ」 「藤谷さん」 「必ず」 俺は強く、強くあおいを抱き締めた。 「ここから連れ出す」 * 家に帰ると準備をした。 大きなキャリーバッグに、水と鉄アレイを入れる。 それと精密機器用のドライバーのセット、縄と念の為の催涙スプレー。 翌朝、それを持って出社する。 「谷屋さん? その大荷物は?」 当然、正門の警備員に呼び止められる。 「時々すげー暇な時があって。空き時間に体でも鍛えようかなって」 俺は潔白の証明に鞄を開けて見せる、10キロと20キロの鉄アレイがそれぞれ二個ずつ、それに二リットルの水のペットボトルが15本。 それでもまだ90キロだが、帰りに100キロは超えている筈のあおいを入れて帰るには充分だろう。 「そうですか。そろそろ社内にジムでも作ればいいのなあ?」 警備員は笑った、他の社員も鉄アレイまでは行かなくてもいろいろ健康器具は持ち込んでいるのを俺は知っている。     
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