【激情】

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俺は笑いながら、警備員がそれらをメモに取るのを見ていた、鉄アレイなんか武器になりかねないだからだろうか。それでもなんのお咎めもく、すんなり社内へ持ち込めた、よかった。 少し仕事をした、そして昼前、俺は行動を開始する。 遅くなればなるほど、あおいの廃棄の時間は迫るはずだ。 仕事場のあるフロアのトイレに、怪しくてもキャリーバッグを持って入る、その時は中は空にしてある。 そして昨日外しておいた換気口から中へ。うー、流石に昨日の行軍で多少筋肉痛があるのか、少し動きが悪い。それこそジムにでも行っておけばよかった。 あおいは今日も昨日と同様に部屋にいた。 「あおい」 声をかけると、ぱっと換気口の方を向いて声を確認しているようだった。 「部屋には誰もいない?」 俺が小声で聞くと、明るい笑顔を見せる。 「はい、大丈夫です」 答えを聞いてから換気口を外した、一応格好良く、ひらりと飛び降りる。 近づく間に、あおいの顔が浮かないことに気付いた。 「どうした?」 あおいはすぐには「ううん」と首を左右に振ったが、俺が顔を覗き込んでいると、戸惑いを瞳に浮かべながらもしゃべり出した。 「里見さんと清水さんがいらして……ぶったり蹴られたりして……」 「なんでそんな事を……! 痛むのか?」 「それはないです、けど」 言うとまた淋し気に俯く、心が痛い、ってとこかな。     
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