22人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は笑いながら、警備員がそれらをメモに取るのを見ていた、鉄アレイなんか武器になりかねないだからだろうか。それでもなんのお咎めもく、すんなり社内へ持ち込めた、よかった。
少し仕事をした、そして昼前、俺は行動を開始する。
遅くなればなるほど、あおいの廃棄の時間は迫るはずだ。
仕事場のあるフロアのトイレに、怪しくてもキャリーバッグを持って入る、その時は中は空にしてある。
そして昨日外しておいた換気口から中へ。うー、流石に昨日の行軍で多少筋肉痛があるのか、少し動きが悪い。それこそジムにでも行っておけばよかった。
あおいは今日も昨日と同様に部屋にいた。
「あおい」
声をかけると、ぱっと換気口の方を向いて声を確認しているようだった。
「部屋には誰もいない?」
俺が小声で聞くと、明るい笑顔を見せる。
「はい、大丈夫です」
答えを聞いてから換気口を外した、一応格好良く、ひらりと飛び降りる。
近づく間に、あおいの顔が浮かないことに気付いた。
「どうした?」
あおいはすぐには「ううん」と首を左右に振ったが、俺が顔を覗き込んでいると、戸惑いを瞳に浮かべながらもしゃべり出した。
「里見さんと清水さんがいらして……ぶったり蹴られたりして……」
「なんでそんな事を……! 痛むのか?」
「それはないです、けど」
言うとまた淋し気に俯く、心が痛い、ってとこかな。
最初のコメントを投稿しよう!