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「……ったく、つくづくあいつらは君をモノ扱いだな。いきなり暴力かよ?」
言うと、あおいは首を左右に振った。
「いえ、私が怒らせてしまって……最後に相手をしろと言われて……でも私、嫌だ……って、言ってしまったんです」
「──なんで!?」
拒絶など、アンドロイドにはないのでは?
「だって、もう私は破壊されるのに、もう誰のものでもなくなるのに、どうして嫌なことをしないといけないの? 私、嫌だった、痛いことや酷いことをされなくても、みんなに好き勝手されるのは嫌だったの……!」
「……あおい……」
俺はあおいの髪を撫でていた、その手をあおいは取って優しく握ると頬に押し当てる、瞳は嬉しそうに閉じていた。
「あなたの顔が浮かんだの、あなたのキスが嬉しかったの。あなた以外の誰かに触れられるのは、もう嫌だったの……」
「あおい……」
あおいに触れる手に力を込めて、そっと頬を掴むように撫でていた。
「──俺と、逃げるな?」
「はい」
はっきりと力強い声がした、俺は頷いておあいに肩を出すように言った。
「まずは昨日の続きだ。」
昨日切った皮膚をめくる、その下の外装を精密機器が見て取れた。
「──どこだ。」
パッと見にはない、更に奥なのか。
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