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顔を視界に収めると、拳を口に当てて恥ずかし気に俯いていた、なんでそんなに人間臭いんだ──散々彼女の機械の体を見たのに、それすら幻かと思えた。
ベッドサイドに着くと彼女を抱き締めキスをして、そのまま押し倒した、舌を貪りながら衣服を剥ぎ取った。
ロボット相手に。
心のどこかでそう思いながら、俺はその欲求を止めることができなかった。
張りのある肌は温もりがある、顔に似合わない豊かな乳房も人のそれと全く同じ感触だった。
どう言う構造なのか、これが技術の粋なのか、あおいは本当に人としての反応をしている。
途中でやめる気になどならなかった、俺はあおいに入ってその快楽を貪った、吐精の瞬間は禁忌の気持ちすら起きた、彼女が妊娠してしまうと言う危惧すら抱くほど、彼女は『女』だったんだ。
何時間も求め合った。
彼女が囁くように言った。
「──嬉しい。」
何が?そう思って俺は耳元で「ん?」と聞き返していた。
「こんなに幸せな気持ちになれたの初めて……ねえ……?……これが幸せって言うんでしょ……?」
思わず体を起こしてあおいを見ると、あおいの目が潤んでいた、本当にこの子はアンドロイドなのか?
「きっとそうだろうな……俺も、滅茶苦茶幸せだから……。」
俺が言うと、あおいは心底嬉しそうに微笑んだ。
*
「……隆信。」
真夜中に静かな声で起こされた。
「……ん……?」
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