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眠い目を擦って開けると、あおいは布団の上で正座していた、もう服も着ている。
「──あおい。」
その気配を察して体を起こした、あおいの哀し気な瞳が、薄暗い部屋でも判った。
「──さよならです。」
あおいは小さな声で言った。
「さよなら……って。」
「本社に戻ります。」
「え、なんで……!?」
本社に戻ると言う事は、破壊処分が待ってるだけだ。
「大丈夫だ、俺が守るから!」
何処までも逃げるから。
でもあおいは静かに頭を左右に振った。
「私は藤沢の本社ビルを離れ12時間経つと、自爆装置が作動するんです。」
「じ、自爆装置……!?」
なんだ、その昭和なスパイの臭いは!
「サイバーロボッツ社の技術の集大成のボディです。万が一盗難等に遭った場合、その技術を盗まれないようとの事です。ここでは迷惑がかかりますから、戻ります。」
「待て、待ってくれ……!」
今にも行こうとするあおいの肩を押さえて引き留めた。
「自爆って、大爆発でもするのか!?」
「いいえ、小さな爆発の様です。それによって全てと言っていい関節を破壊します」
ロボット開発に必要不可欠なのは、関節の機工なのか。
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