22人が本棚に入れています
本棚に追加
『やっと遺族が了承してくれてな。サイバーロボッツ社も諦めてくれたようだ。別の切り口とは言え、切り札をありがとう。これで君の任務は終了としたいがどうする?』
「……はい……サイバーロボッツ社に未練はありません……。」
『じゃあ、このまま辞めていいぞ。戸籍やなんかも抹消しておくから。』
「ありがとう、ございます。」
あおいが取り出したデータが警察に渡っていたとバレたていたんだ、やはり連れ出してよかったんだよな、でなければきっと犯人の『あおい』と一緒に廃棄処分だったんだ。
結局は、死んでしまったけれど……。
「しかしアンドロイドの運搬ってのは面倒くさいな、完全停止するまで二週間は暗闇におけとよ。」
「……は?」
『なんでも、動く状態では運べないとか。別に助手席に乗せて連れて帰ってくれればいいだろうに、アンドロイドはあくまで『商品』だからきちんと箱詰めして運ぶんだとよ。』
「──へえ?」
確かに俺が担当してる個体は海外に発送するからか判るな、通電していない状態なのも──でもあおいにはブラックボックスの近くにボタンが。あれを押せば完全停止するんだろう?……あれはあおいだけの仕様?
『完全な暗室なんか、そうそうないだろう? 仕方ねえから遺体安置所に置かれてるんだぜ? なんか可哀想になあ。』
──安置所。
「……あの、野村さん…。」
俺は一瞬にして計画を立てていた。
最初のコメントを投稿しよう!