【激情】

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『やっと遺族が了承してくれてな。サイバーロボッツ社も諦めてくれたようだ。別の切り口とは言え、切り札をありがとう。これで君の任務は終了としたいがどうする?』 「……はい……サイバーロボッツ社に未練はありません……。」 『じゃあ、このまま辞めていいぞ。戸籍やなんかも抹消しておくから。』 「ありがとう、ございます。」 あおいが取り出したデータが警察に渡っていたとバレたていたんだ、やはり連れ出してよかったんだよな、でなければきっと犯人の『あおい』と一緒に廃棄処分だったんだ。 結局は、死んでしまったけれど……。 「しかしアンドロイドの運搬ってのは面倒くさいな、完全停止するまで二週間は暗闇におけとよ。」 「……は?」 『なんでも、動く状態では運べないとか。別に助手席に乗せて連れて帰ってくれればいいだろうに、アンドロイドはあくまで『商品』だからきちんと箱詰めして運ぶんだとよ。』 「──へえ?」 確かに俺が担当してる個体は海外に発送するからか判るな、通電していない状態なのも──でもあおいにはブラックボックスの近くにボタンが。あれを押せば完全停止するんだろう?……あれはあおいだけの仕様? 『完全な暗室なんか、そうそうないだろう? 仕方ねえから遺体安置所に置かれてるんだぜ? なんか可哀想になあ。』 ──安置所。 「……あの、野村さん…。」 俺は一瞬にして計画を立てていた。     
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