記憶

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ある日チェリーは消えた。 朦朧となった意識の中で 大人になったアタシをかすかにみつめて 小さく小さくしぼんで、 チェリーは消えた。 チェリーは灰になった。 あなたがさみしいのは、あなたのせい。 チェリーは空へ行った。 一人で空へ行った。 誰にも泣いてもらえないまま 一人で空へ行った。 チェリーの庭はなくなった。 グミも薔薇もユスラも柿もゼリービーンズみたいな池も ぜんぶぜんぶなくなった。 チェリーの庭は跡形も無く消えた。 チェリー、覚えてる? アタシのこと。 一緒に水をあげた花はなんだっけ? アタシはチェリーの庭もチェリーのことも 本当はね、みんなが思っているよりも もう少しだけ覚えているよ。 あの日あの時あの庭で、 誰も知らないチェリーとアタシだけの秘密の時間のようで 本当はちょっとうれしかった。 それじゃあ、ね、 またいつか会う日まで・・・
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