あの日は、雨が降っていた。

2/10
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
6月の半ば。 ザアザアと降る雨の中、学校帰りの美久は桃色の傘をさして歩いていた。 「あ…! このあじさいかわいい!」 美久が見つけたあじさいは、四つの花びらのうち、二つは水色、もう二つが紫色のあじさいだった。 このままちぎって持ち帰りたかったが、結局枯れてしまうのでやめといた。 しかし、よく見るとそのあじさいの花びらの裏に、何かがくっついていた。 カタツムリかと思ったが、殻がなく、真っ白な体だった。 ……なにこれ?
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!