あの日は、雨が降っていた。

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6月の半ば。 ザアザアと降る雨の中、学校帰りの美久は桃色の傘をさして歩いていた。 「あ…! このあじさいかわいい!」 美久が見つけたあじさいは、四つの花びらのうち、二つは水色、もう二つが紫色のあじさいだった。 このままちぎって持ち帰りたかったが、結局枯れてしまうのでやめといた。 しかし、よく見るとそのあじさいの花びらの裏に、何かがくっついていた。 カタツムリかと思ったが、殻がなく、真っ白な体だった。 ……なにこれ?
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