あの日は、雨が降っていた。

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もし変なものだったら…、と戸惑ったが、気になったのでつついてみた。 すると、その真っ白な物体は、ビクッと体を震わせ、ゆっくり間から顔を覗かせた。 動いた!しかも顔ある! 美久は一気にその真っ白な物体を引っ張った。真っ白な物体は抵抗したが、人間の力には敵わなかった。 美久がつかんだ部分は真っ白な物体の手であろう部分で、その下あたりに二つの出っ張りがある。多分足だろう。 全体は真っ白なでっかいウインナーみたいな形で、上の方にくりくりした黒い点と、丸くあいた穴があった。目と口だろう。 しかし、この物体というか、生物というのは見たことがなかった。 こういうものは基本『気持ち悪い!!』と投げ捨ててしまうところだが、 …かわいかった。
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