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美久の部屋までにキッチンを通る。
その時、突然『おかえり』と声がしてビクッとした。
「お、お母さん…おか…えり」
お母さんには真っ白な物体の存在を知るわけにはいかない。きれい好きで虫嫌いのお母さんにばれたらどうなるか……まあ虫か分からないけど。
とにかく、ここを乗り切らなければ!
「声の調子悪いよ?風邪か何か…」
「大丈夫大丈夫!本当に大丈夫だから」
美久は慌てると言葉が曖昧になる。
今回も、『大丈夫』としか言えなかった。
美久は早歩きで部屋に入り、ドアをすぐに閉める。
服に隠しておいた例の…真っ白い物体を出し、もう一度じいっと眺める。
やはりかわいい。
よし、飼おう!と思ったとき、重大なことに気が付いた。
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