お姫様、動物弁護士の助手になる

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〇アンヌ・ドートリッシュ スペイン・ハプスブルク家の王女で、ルイ十三世の王妃。ルイ十四世の生母。 『三銃士』ではバッキンガム公爵とのスキャンダルで有名だが、バッキンガム公爵とは物語と似たような恋愛沙汰が実際にあって、それがラ・ロシェルの戦いの遠因となった。 実家であるスペインと対立する政策をとる夫のルイ十三世と宰相リシュリューに反発し、弟のスペイン王フェリペ四世とこっそり手紙のやり取りをしていた。それがリシュリューにばれて追いつめられたこともあったが、夫の死後は幼い息子ルイ十四世を守るために摂政となり、愛人の宰相マザラン枢機卿に助けられて政治を行なった。 〇ヴァル・ド・グラース教会 アンヌ・ドートリッシュの陰謀の舞台となった教会。 アンヌは、夫に隠れてスペインからの使者と会ったり、リシュリュー排斥の相談をしたりする時に、この教会を使っていたようである。また、教会の地下には政治犯をかくまうための部屋もあった。 シスターたちは、教会の庇護者だったアンヌに協力的で、リシュリューの命令を受けた兵たちが教会を家宅捜索した時には、アンヌが弟のスペイン王から受け取った手紙などを急いで破棄した。 こんなふうにアンヌが思うがままに使っていた教会なので、彼女の警固のために銃士隊や警備兵が敷地内をうろうろしていても、教会のシスターたちは文句を言わなかった(というか言えなかった)のでは……と思う。 〇リュクサンブール宮殿 イタリア・メディチ家出身のマリー・ド・メディシスが居城とした宮殿。イタリアにいた頃に彼女が住んでいたメディチ家のピッティ宮殿を参考にして改築した。    
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