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ピンポンと呼び出し鈴を押しながら千花がそう言えば、ぶーぶーと文句を言いながらも三人はそれぞれのお財布を取りだす。
きっちり一円単位まで割り、お会計をした所で各々席を立つ。そして威勢のいい定員の声を背中に浴びてそれぞれ帰路についた。
「またね!」
「うん!また連絡する!」
「千花、歩いていくの?」
「うん。飲んでないし。すぐ近くだから」
右手を振り、友人達に別れを告げ、千花は自宅の方向に足を向ける。春には程遠い、冷たい風を頬に受けながら千花はスマホを取り出した。
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