Ⅶ 再び

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だから 「今度、由美の墓参りについてきてくれないか」 「……いいん、ですか?」 「付き合うことの報告しとかないとな」 もう一度、手を握り直す 「まだ付き合ってあげるっていってませんよ?」 田中さんの瞳から 涙が大量に溢れだした 俯く田中さん 机にも涙の跡ができている 「ほんとに、田中さんは頑固だなぁ」 俯く彼女の顎を、くっと持ち上げて 「美人が台無しだ」 親指で涙をすくう こんなこと、前にもあった 「来てくれるよな」 田中さんは無言で こくっ こくっこくっ と、何度も何度も頷いた よかったね 由美の声が聞こえた気がした 困難はまだまだあるだろう でもきっと乗り越えられる 乗り越えてみせる だって、もう 1人じゃない End…
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