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その夜、夢を見た
由美が事故にあった日のこと
そうだ、あの日の朝のリビングで
俺は由美に郵便を頼んだんだ
「これ出しといて」
そうしたら由美が
「これ、郵便局もっていかなきゃ
いけないやつじゃない」
と言った
俺は
「まぁ、仕事の合間を縫ってもいいんだけど」
とめんどくさそうに言うと、由美は
「スーパーと逆方向なんだけどな…
しょうがない!週末のお花見楽しみにしてるからね」
と笑ったんだ
そして由美は
郵便局の帰り道で
まだ小さい絵美をかばって
帰らぬ人になったんだ
辛い過去を根こそぎ消してしまっていたかのように
今日まで消し去っていた記憶だった
なぜ、今
ふいに、場面が今寝ている
寝室に変わる
由美が目の前に現れた
「しょうちゃんの好きなように生きてね」
好きなように生きてるさ
「そうは見えないから、言ってるんでしょ」
そんなことないって
「気を使う必要なんて、ないのよ
本当よ?
私はずっとあなたの中に住み続けるんだから
それを彼女が受け入れてくれるか
それだけのことよ」
受け入れてくれないさ
そう言うと、
由美は眩しいものを
見るかのように目を細めて
消えた
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