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「神奈川って、東堂いるんだ
あいつおもしろいだろ」
「関西のノリなんで、まぁ、テンポは合います」
「田中さんの出身兵庫だもんな」
4年の月日を忘れるくらい
俺たちは普通に(少なくとも俺は)
ナポリタンを頬張る
懇親会が終わっても、
お偉いさんの長話に付き合わされるうちに
あっという間に時間は過ぎた
「おい、この後予定空いてるか」
と何回かお誘いがあったが
どうにか切り抜けて会場を後にする
周りを見渡しても田中さんの姿は見えない
立ち止まり、電話をかける
「はい、田中です」
無感情な彼女の声が聞こえた時の俺の顔は
普段では考えられないくらい緩んでいただろう
会場前のカフェにいた田中さんと合流して
定番になったバー・ロビンソンへ向かう
「お、久しぶり、鈴ちゃん」
「マスター、ご無沙汰しております。
名前覚えててくださって嬉しいです!」
「そりゃあもう、しょうちゃんが
いっつも鈴ちゃんのこと話すからさぁ」
この前東郷と喋ってたの
盗み聞きしてただけだろ
「もういいから、田中さん、なに食べる?」
俺はマスターの話を遮った
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