Ⅱ 迷い

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眠りにつく前には、必ず由美と会話をする 今日あった出来事、今悩んでいること 東京の空の狭さ 今日のランチのことまで 事細かに報告をする もちろん、遺影の中の由美は返事をくれない 今日も一日、ありがとう 最後にお礼を伝えてから眠る これは、数年続いている習慣だ 由美が死んでから、より一層、由美を近くに感じる そんなことが増えた 見守ってくれてるんだな やっと、どうにかそう考えられるようにもなってきた 墓の中でも、風の中でもない 俺自身の中には、いつも由美がいる そう気づくことで、俺は俺自身を 大切にすることができた そうだ、これからも 迷わず、まっすぐ歩けばいい 迷わない、決して
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