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チーン…
フロアに着く
「おはよー、大曾根くん」
ドアが開いた瞬間、同期の東郷麗華が挨拶をしてくれた
いや、これからは同僚だな
職制上は部下にはなるが
こいつにそんなこと言えるわけない
し、言いたくもない
「おはよ、これから宜しく」
東郷は、にこっと微笑んでから
軽くフロアの説明をしてくれた
整然と並べられたデスク
整理が行き届いている書棚
センスがいいオフィス家具
使い勝手の良さそうな打ち合わせスペース
さすが本社だな、金のかけ方が違う
自分のデスクに腰を下ろし、
一息ついてから、俺は積み上げられた
段ボール箱の中身を広げ始めた
箱を開けた瞬間、子供たちの写真立てが出てくる
なんだか照れ臭くなって
周囲を見回してから、そっとデスクの引き出しに
その写真をしまった
シーソーに乗った、幼稚園くらいの時の写真
2人とも全力の笑顔でこちらにピースを向けている
それを愛おしそうに見つめる奥さん
由美、いつもありがとう
少し振り返り、背後に広がる東京の狭い空を
眺めた
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