I 出会い

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「大阪事業所からこの度、 営業部に異動となりました、   大曾根翔です。よろしくお願いします」 いつまでたっても、社内挨拶は苦手だな そう思いながら遠くを見ていると 強烈な視線を感じた ぎょっとして視線の先を追う 小柄な、それでいて目元が印象的な女の子が 俺をじいっと見つめていた それは恋愛感情と言うよりは 天然記念物を発見したかのような 驚きを伴った目だった ふっ 思わず少し笑ってしまう やばい、気持ち悪がられたかも 記憶違いでなければ、あの女の子は これから一緒に働く営業部の若手だ その子をもう一度見る 横では、もう1人の着任の人が挨拶をしている また、その子と目が合う 少し不思議そうな目になった なんでこの人笑ってるの? そう言いたげに見えた 軽く会釈をする これから宜しく、と言う意味を込めて よろしく その瞬間、頭の奥の方が叩かれた感覚があった こんなこと、前にもあったよな いつだっけ
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