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開会セレモニー。携帯端末で同胞ふたりやパイロットチームのメンバーと連絡を取るナユタ(相手はほとんどがγステーション)。歓声に顔を上げると聖火ランナー(超高性能の義手または義足を装着している。この時代のオリンピックについては「その他世界設定」で後述)入場、会場は大盛り上がり。聖火点灯、スタジアムを囲むように上がるいくつもの花火。と、第六感的に何かを感じ取るナユタ。同時に周囲の「声」も拡大し一旦はその原因を見失うが、集中していくと雑多な声は遠のき、きらびやかな花火の向こうから飛来する複数の人型の発見に至る。次第に接近し、スタジアム上空を飛び過ぎる巨人。「なんだ? 次の出し物か?」「連合の新兵器だろ。アクロバティック飛行って」「この時代に人型ロボットかよ?」友人たち。「マテリアル・マシン……」呟くナユタの腕にすがるキサナ。「ほら、VA(後述。可変戦闘機のようなもの)もでてきた。さすが連合のVA
は──」友人。直感がナユタを貫く。
「ダメだ!!」撃墜される連合のVA。破片が会場に降り、聖火台が倒壊する。ナユタの青と銀に輝く目に、敵ロボットの武骨な顔が映った。
パニックになり逃げ惑う人々。次々に撃墜されるVA。死んでいく老若男女。ナユタはキサナを必死にかばいながらやっとの思いでスタジアムから出たが、人波に押されて友人たちと距離が開いてしまう。ふと、シュルシュルという風切り音。ナユタが目を向けると、先刻の戦艦の外観を思わせるウリクラゲ的な弾頭が飛来。数度地面で激しく跳ね返りながら友人たちがいるはずの人混みを吹き飛ばしていった(「登場メカ」で後述の、敵が実体弾を使用する理由も見え隠れする)。ナユタも目の前で起きた瞬間的なショックを受信してしまう。「……! アグロだ!」ナユタが再びの直感に空を見上げると、先刻の敵とは異なる様子の人型ロボット(アグロ・連合軍の試作機。主役機デガルダのデチューンタイプで主人公たちが訓練で使用していたもの)がある方角から飛来、交戦に入る。「パパとママは」「わからないけど、今は走るんだ……」「走れるかな」「サナだったら走れ
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