第1話 「デガルダ飛翔」

6/8
前へ
/77ページ
次へ
 「これが……中枢機関と同じ素体だと言うのか……そんな……こんなものが……」機体の前面をボロボロにされ、女隊長に後退・後方援護を命じられるサンラァフ。「素体を兵器にしたところで所詮はサピエンスの作り物、ここで冒涜の芽は摘む!」デガルダの前には女隊長のトサカ付きマシンが立ちふさがった。中世のランスを思わせる実体剣にウリクラゲのネオンが走り、夜の市街地に浮き上がる。「どうする? どうすれば……。さっきの機銃はどうやって出した! アグロの操縦系統の元はこいつなんだから……」焦るナユタ。「腰に 刀があるわ。腕にはハイパーレーザー」ぐったりしたまま口だけで喋るキサナ。「サナ? 刀って……こうか!」トサカ付きはランスとシールドを前面に出した猪突をかけ、デガルダはレールガンを連射、トサカ付きのシールドがそれを防ぎ、さらなる加速をかける。迫るランス、持ち上げられたデガルダの両腕、明滅する赤い閃光、強力なレーザー光で溶解し吹き飛ぶシールドとトサカ付きの上体。叫んだナユタは腰の刀身生成器から一振りの実体剣を抜き、そのまま切り上げるように一閃した。サンラァフからはトサカ付きの切断面越しにデガルダの顔。両断されたトサカ付きは爆発せず沈黙、「 できたのか……おれは……皆……」後退るデガルダ、茫然自失のサンラァフ。そこへ生き残りの試作機部隊が到着し、ナユタごと脱出用の港(今後登場する母艦が停泊している)へ誘導する。友軍パイロットの会話に「γステーション」の単語。眼下にはトサカ付きの残骸とサンラァフ機の回収に向かう敵のバーニア光。膝には動かないキサナ。     
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加