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今日は特別な日だ。
長きにわたる戦いも、これで終わるのだから。
「魔王、ようやく追い詰めたぞ!」
「ふはははは、追い詰めたとは、私が招かなければ来られなかったことも分からんのか、勇者」
「招いた? 俺は自力でここまでやってきたんだ!」
「ふん、お前が出会ったモンスターが、その時々のお前の力に匹敵するものであったことをただの偶然だと思っていたのか?」
「……!」
「仲間になり、ここに来るまでに幹部を一人一人足止めしてくれたあいつらが、偶然お前と出会いここまで来たと?」
「まさか……」
「そう、すべては私が仕組んだことだ。お前をここに来させるため。そして、話をするためにな」
「……話、だと?」
「そう。お前に、世界の半分を」
「断る」
「……人の話は最後まで聞け」
「どうせ半分やるっていうんだろ?」
「近いな」
「そんなことでお前が今までやってきたことを許せるか」
「誰も許せなどとは言ってない」
「しかし!」
「まぁ落ち着け、勇者」
「……」
「私は、世界の半分をお前に治めてもらいたい」
「やっぱりそうじゃないか」
「お前にやるわけではない。治めてもらうのだ」
「何が違う?」
「お前とは、我ら魔族帝国と契約を結んでもらう」
「……!」
「我々魔族と、お前たち人間が、よりよくこの世界で生きるために」
「そんなこと言って、また人から略奪したりするんだろ!」
「なぜお前は我々を悪者にしようとする?」
「お前たちが、人間の世界を犯してきたからだ」
「それはお前たちにも言えるだろう。我々魔族も多大な被害を被った」
「お前たちが仕掛けてこなければ、そんなことにもならなかった!」
「……本当にそうか?」
「……どういうことだ」
「お前は、この戦争の起点が何なのか、知っているのかと聞いている」
「それは、魔族が突然人間の世界に侵攻してきたと王様が」
「それはお前の知識ではないだろう。ここに来るまでに誰かに教わらなかったのか」
「……」
「まぁ、ここに関しては私のミスリードでもあるのだがな。お前にそれを教えてないことに気づいたときには、それを知る者とお前を会わせるルートが形成できなくなっていた」
「じゃあ何なんだ。この戦争の起点は」
「人間の、魔族への差別だ」
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