さよなら、安堵、また今度。

＃４

　中間テストの結果は、相も変わらず「それなり」な状態だった。進学校ではあるけれど、特に順位表を張り出すなんてことをしないのが「一応進学校」ということの証しと言える。
　そして、放課後の部活動も復活し、夏の大会に向けての練習をがんばっていこう、という矢先に弓道部ではちょっとした事件が起こった。犬飼も含めて、二年生と一年生部員が部活開始に遅刻することが増えたのである。
　それほど厳しい部ではないので、厳密に何時から始める、ということが決まっているわけではない。けれど、授業が終わって集まれば大抵の場合、皆が同じ時間になる。そこで全員で的などの準備をし、神棚に黙祷をしてから射法訓を唱えて活動をスタートとするのがならわしだ。もちろん委員会活動に参加している人間がいれば、遅れてくることもあるが、そういった場合は事前に分かっているので前日にでも報告するのが何となくのルールである。
　高山が犬飼に話をしたらしいが、「明日からは気をつけます」と応えがあっただけで一向に事態は改善しなかった。
　そこで怒ったのが、ストイック中村だ。