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クリンバッハ城が奪還されたことでヴァイセンブルク東部の戦線が突破され、連合軍は今やゲルマニア帝国の領土内に深く進攻している。にもかかわらず、トマサ・ソッピースとWEUの二人が今でもクリンバッハ城を拠点にしているのは、アネット・フォッカーが残していった研究施設が飛行型AMの開発におあつらえ向きの環境だったからだ。
「でも、どうして今さら飛行型のAMなんか開発してるんですか? 俺たちがガンブレラでコテンパンに叩いてやったおかげで、今じゃあれの優位性を疑問視する声も出てるんでしょ?」
アルバータが両手を後ろについて体を反らすと、形のいいハンドボール大の胸がたゆんと揺れる。すぐ隣でそれを見ていたアーサリンは思わず息を呑んだ。いつもパイロットスーツ姿を見てはいるが、こうして裸になると凄まじい色気だ。彼女の身体はとても筋肉質なものの、ゴツいという印象は全くない。むしろ『スレンダー』という言葉の究極系といった感じで、同性から見ても“エロい”としか表現しようがない。
「おそらく、対ローマ共和国のためでしょうね。アルプスの山に拠点を築いて、そこから飛行部隊で北部のミラノを攻める計画なのでしょう」
ジョルジアナが頬に流れる汗を拭いながらルネの代わりに答える。雪のように白い彼女の肌も、よく日焼けしたアルバータの健康的な色気とは対照的な美しさがある。
「フランチェスカさんとも戦うことになっちゃうんですよね……どうしてローマはゲルマニアと同盟を結んだりしたんでしょう」
アーサリンが悲しそうな顔で水面に視線を落とす。
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