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ガシャーン
「どうしたマナ!」
「ぁ…ぁあ」
「おい!」
「み、ない、で」
「!」
洗い物をしていたマナは顔を覆ってしゃがみこんでいる
僕は見てしまった、水面に映る自分の顔を
この家には鏡がなかった。
あの戦いの後から一度も自分の顔を見た事がなかった、
酸でひどく爛れているんだろうなとは思っていたが予想以上に酷いものだった…まるでゾンビ、生きているのが不思議なくらい、とても恐ろしい姿だった…
そんな姿でずっとライトのそばに居たのか、こんな姿でライトを見て居たのか、こんな姿の僕をライトはずっと励ましてくれて居たのか、
いつまで?
それはいつまで続くの?
こんな恐ろしい姿であとどのくらい愛してもらえるのだろうか
だんだん…離れていくんじゃ…ライトがいなくなったら…僕は…どうしたら…
「マナ!」
!
「マナ、大丈夫だから…俺を信じてくれ…」
「ライ、ト」
そういうと優しく包み込んでくれた、僕は何を疑っているんだ、僕はバカだな…
ポロポロと涙を流しながらライトの震える背中に手を回し胸に顔を埋め、肩に温かく濡れた感触を感じながら、ただひたすら泣いた
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