勇者二人

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足を退けずにしゃがみ込み顔を近づけ囁く 「君は今日から勇者だよ」 「ぜってー認めねー」 拗ねた子供みたいにふてくされているのが何だか可愛くてほっぺをツンとしてみた 「んなにすんだやめろ!」 「んふふ、可愛い」 「なっ!!」 ーーあ、赤くなった 照れたのかな?とまた可愛いなと思い顔からニコニコ笑顔が漏れた 足を退かして男を立たせ刀を返した、男の服についた草をパタパタと払って 「さぁ、行こうか」 と男の手を引いて街の方に歩を進める 「お前…何簡単に刀返してんだよ」 「もう君は勇者だから悪ことしないから」 「いきなり背中ぶった切られるかもしれねーぞ」 「それを言うってことはしないって事でしょ?」 振り向いてふふっと笑うとまた目を丸くして赤くなりそっぽを向いた 僕より背が高いのにとっても可愛い人だなと何だか愛おしくなった 「みんなー傭兵は倒したからもう大丈夫だよーあと新しい勇者さんだよ、何か困ったことがあったら頼ってね」 「何勝手に!」 「有難やー勇者様が二人に、有難やー」 「ふふっみんな喜んでるね、僕たち幸せ者だね」 ニコッと笑いかけてくるその顔に 「そうだな」と言いそうになった自分に驚きまた下を向いた
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