プロローグ

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プロローグ

西暦2501年 この物語の主人公である和原幸多(わはらゆきた)は16歳になった。 「お兄ちゃん~、はやく~」 家の物置小屋で幸多を呼ぶのは、妹 和原(わはら)美奈(みな)。 「もう準備できたのか?俺の心の準備がまだなんですけど…」 「契約するだけだよ?何を緊張してるのさ」 幸多は玄関から物置に向かった。 西暦2445年。 世界はあらぬ方向に発展を遂げた。 それは…、 【天使や悪魔と契約することができる】 ということ。 世界各地に謎の召喚陣が出現したことがことの発端。 条件があり、なぜか16歳以上であることである。 そんな事件はたちまちネットで広がった。 誰かが召喚陣の写真を上げ、誰かが真似をする。 そんなことがあり、あることが発覚した。 召喚したい天使や悪魔の召喚陣を描けば、それと契約できるということが。 人々はそれを家族や友達として、次々と召喚し、契約した。 しかし、そんな穏やかな日々はすぐに崩れた。 西暦2450年 事件は起きた―。 友達や家族のような存在の天使や悪魔が、ついに犯罪に利用されてしまった。 その多くは殺人だ。 天使や悪魔同士の戦いは激しいため、痕跡が残ってしまう場合が多い。 しかし契約していない人間を殺す場合は、天使や悪魔の能力なら証拠が残る可能性は低い。 例としては、家族を殺されてしまった者もいれば、口論が原因で友人に殺されてしまった者もいる。 また、特殊な例として万引きといった事件にも、天使や悪魔が関わってる場合があるようだ。 こういった天使や悪魔を利用したニュースはたちまち広がり、日本にもすぐに報道された。 そこからである。 人々は自分の天使や悪魔は、他人のより優れている。     
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