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幸多は『あの出来事』を小林さんに説明した。
『天使ブリュンヒルデか……。なるほどな。すまないが幸多くん、そっちの方は君に頼んでいいかな?私は悪魔と戦闘があった方の調査で忙しいからね』
『わかりました』
『おそらくまた君の前に現れるはずだ、フレイヤがいるとはいえ、注意してくれ』
『わかりました。というか、よくこの番号わかりましたね』
『ははは、ちょっと裏ワザをね。なんかあったらこの番号にかけてくれ』
『わかりました』
『じゃあ、そう言うことでよろしく~』
電話が切れた。
幸多は電話番号を小林の番号として登録した。
「ほんとに……あの人とブリュンヒルデはなんだったんだろうか」
どうしても気になって仕方なかった幸多だが、疑問を解消する術がない。
そのままなにもなく、
時計の針は時を刻み続けた。
そして数日後―。
「小林さんはまだ調査してるのかな」
「そろそろ、あの少女とブリュンヒルデが来てもおかしくないと私は思います」
数日間、ほんとになにも起こらなかった。フレイヤの罠に反応する者も、いなかったようだ。
「あ、幸多。ひとつ伝え忘れたことがありました」
「伝え忘れたこと?」
「【召喚の短剣】のことですが、もう一度召喚してもらえませんか?」
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