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「これかっこいいけど、これもかっこいいじゃん、こっちは芸術的だし。だから全部混ぜてみたの!」
「おいおい、それじゃ~無理なんじゃねぇか?」
「駄目だったらそのときだよ!」
こんな感じで、美奈はめんどくさがり屋で適当な人間である。
「とりあえずやるよ!ほら、右手を真ん中に置いて」
「こっ、こうか?」
幸多が真ん中に右手を置くと、召喚陣が光始める。
我に力を与えし天使よ、
この身が果てるまで、
契約を願い奉る。
美奈が唱えると、光はさらに強くなり視界を奪う。
「ん……………」
「オリジナルでもいけるんだ…。自分で描いといて驚き。」
「お前なぁ…」
光が強くて、大雑把な姿しかわからなかったが、誰かが現れる。
【私と契約を望んだのはお前か】
強烈な光で目が眩んだ。
やがて視界が広がる頃に、エコーがかかったかのような声がする。
「お兄ちゃん…。ここからが勝負だよ!」
美奈の言うとおり、これはまだ召喚しただけ。
ここから契約しないといけない。
「そっ、そうだが」
【私の召喚陣をどこで知った?】
「妹が…適当に描いたのが…これですけど」
【適当だと?なるほど…………、奇跡……というやつか】
「奇跡?」
後ろから見ていた美奈が首を傾げる。
【私は神、その契約を受け入れよう】
「神!?召喚の時に唱えたのは、天使って言ったのに!?」
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