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幸多は半分上の空で、フレイヤの発言に気づかない。
「そうだな~」
「そうですよ」
フレイヤがドアノブに手をかけてドアを開けて出ようとしたとき―。
やっと気づいた。
「んんん?ちょっとまって!それはおかしくねぇか!!?」
幸多が気づいた時は遅かった。
フレイヤはもう部屋の外。
ドアを閉め始めていた。
ドアが完全に閉まる直前。
「さて、なんかいいましたか?」
という声が微かに聞こえたのだった。
場面は変わる。
時は幸多たちがまだ寝ている頃。
深夜2時46分。
沙夜の家では……。
「ん?」
「こちらに敵意を向けてる者を確認しました」
沙夜が起き上がるとブリュンヒルデが外を窓の外を警戒していた。
「やばそうね……」
「アザゼルと同等かそれ以上と思われます」
「次から次と忙しいわね!」
侵入者が来ていた。
「天使?悪魔?」
「天使ですね」
『ミツケタゾ』
悪魔とは違う綺麗ではあるが耳に嫌に響く声が、部屋の至るところで反射して四方八方から聞こえた。
「誰ですか??」
ブリュンヒルデが聞くと【その者】は名乗った。
サタナエルと―。
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