17.気配と違和感

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17.気配と違和感

『我はサタナエル』 「サタナエル?」 「沙夜、サタンは知っていますよね」 「えぇ、知ってるわ」 「サタナエルは堕天する前のサタンの名前です」 ※少し前に『堕天使ルシファー』が登場しました。 一説によるとサタンとルシファーは同一視、また別だという説もあったりします。 ですが、この物語ではルシファーとサタンは別であることにします。 あらかじめご了承下さい。 「逃げた方がいい?」 「とりあえず逃げましょう。これは危険です」 『ディストラクション……』 次の瞬間―。 大きな爆発音とともに、沙夜の家は吹き飛んだのだった。 爆発直後は深い煙に包まれていた。 風によって徐々にその煙が大空へと解き放たれていく。 煙が消えると残るのは、跡形もない家の残骸。 そして、天空から【それを】見つめる者がいた。 月の逆光によりシルエットと、 『………………』 紫に鋭く光る2つの光が見える程度であった―。 瓦礫と化した沙夜の家の入り口だったであろう場所にも、暗くて正確に顔などは見えないが誰か立っていた。 恐らく契約者だろう、 沙夜の家を襲撃した、 【サタナエル】 という名の天使の……。 『逃げられてしまったようですね』 『どうやらそのようで。気配もありません』     
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