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18.訪問者
「ごちそうさま~」
沙夜とブリュンヒルデが襲われたことなど知らずに、幸多は普通の日常を過ごす。
すると…。
「ん?」
幸多の携帯が活動し始めた。
「この電話番号は…」
「田川という方だと思いますよ、幸多」
それは陸上自衛隊特殊作戦群特務中隊の田川二等陸佐からの電話だった。
『もしもし』
『おぉ、驚かせてしまったかな。先日お会いした、
陸上自衛隊特殊作戦群特務中隊 二等陸佐 田川です』
『大丈夫です。どうしたんですか?』
『まぁ、特に何かあったとかではないのだが、小林さんから昨夜のこと連絡もらってね。
君たちの身に、もし何かあれば色々問われてしまうのでね。連絡させていただいたということだ』
『そういうことでしたか。こっちは大丈夫です。ご心配をお掛けしました』
『気にしないでくれ。では、失礼しま~す』
電話が切れた。
「小林さんからもう連絡行ったのか」
「まぁ、私がいる限り、あなたは大丈夫ですよ」
「助かる」
幸多はその後、顔を洗い支度を整えた。
「今日はなにもない日かな」
幸多はそう思っていた。
いや、そう願っていたという方が正しいだろう。
ピンポーン
しかし、その願いはものの数分にして、玄関のチャイムの音で砕けるのであった…。
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