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19.深夜
「サタナエル?」
「堕天する前のサタンの名ですよ」
フレイヤが説明する。
「それで……逃げようとしたら…」
「攻撃されて瓦礫の下敷きになったと」
「そうよ。それでフレイヤに、私たちの気配を消してもらってなんとか助かったの」
「で、ここにいるのか」
サタナエルの襲撃、そして去った後―。
深夜3時頃。
「家なくなったわね」
「どうします?」
「ブリュンヒルデは瞬間移動的な能力は使えなかったんだよね」
「はい、すみません」
「構わないわ」
家がなくなってしまった今、沙夜とブリュンヒルデはどうすることもできない。
さらに、崩壊した家の近くに長居するわけには行かない。
周りの家々に気づかれてないのは、恐らくサタナエルによって作り出された結界か何かのためと推測できる。
しかし、サタナエルが去った今結界はない。誰かに見つかるのも時間の問題。
それはそれで厄介なことになると踏んだ沙夜とブリュンヒルデは、幸多の家に行くことを決断する。
すると…。
「ケガはありませんか?沙夜、ブリュンヒルデ」
いつの間にかフレイヤが後ろにいた。
「フレイヤ、助かったわ。ありがとう」
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