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美奈はそのまま玄関に向かって歩き出し、
幸多とフレイヤは夜の街に出たのだった。
やがて―。
人通りの少ない通りを歩いていると…。
声をかけられた。
「君、ちょっといいかな」
「なんですか?」
警察官らしき人たちから声をかけられる。
「私は、警視庁公安部公安第五課 特殊事例対策係の者だ」
「長くてわからんが、何の用ですか?」
「同行願う」
「は?」
その人物はいきなりそんなことを言ってきた。
「待ちなさい」
すると今度は、幸多の後ろから声がする。振り向くとまた警察官らしき人物がいた。
「私は警視庁公安部部長、小林だ。こいつらは部下でね。すまない驚かせてしまって」
「全然状況が理解できないんですけど?」
「君は天使と契約している。一見そう思えるが、私は違う。それは天使でも、悪魔でもない存在だな」
「たしかに……そう…ですけど」
「君に協力を願う。日本を救うね」
幸多はしばらく何も言えなかった。
いや、言えるはずもない。
こんなに急に同行願うだ、と思ったら日本を救えだと言われると、誰でも混乱するだろう。
幸多は完全に頭が混乱していた。
「同行って言われたあとは、日本を救ってくれと……?」
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