1.夜の町で

3/4
223人が本棚に入れています
本棚に追加
/172ページ
「小林さん!天使や悪魔の力は使わずに、この長い混乱を静めるとおっしゃってたではありませんか!」 「たしかに、天使や悪魔の力を使えば混乱が広がる一方だ。しかし、彼の隣にいるのは天使でも悪魔でもない。そうなんだろ?」 「小林さん、何をおっしゃっているのですか!?天使でも悪魔でもないものが存在するとでも?」 「そう言ったつもりなんだが?天使や悪魔とは違うオーラを感じる。長年、天使や悪魔そしてその契約者たちと関わってきたからこそ、わかることだよ。」 するとフレイヤが言った。 「私はフレイヤです。北欧神話の女神」 「神!?天使や悪魔を越えて、ついに神まで出現とは…」 警視庁公安部公安第五課特殊事例対策係の人が驚いて言った。 「私の他にもし、神話の神が召喚されてたとしたらすぐにわかります。それに神話の神を召喚することは、天使や悪魔が存在する時点でほぼ不可能になると思いますよ」 「唯一無二の存在、君が召喚できたのは奇跡ということかな」 小林が納得と確信したようだ。 たしかフレイヤもそんなことを言っていた。 「私が召喚され、ここにいるのは【奇跡】と言う他ありません。もし神と神の争いが始まれば、この世界がどうなるかは保証できませんね」 神と神の戦いの規模は相当な物になるだろう。 もしかしたらこの世界を……、いや人類というものを滅ぼす可能性すらあり得る。 小林は軽く頷いた。 「そこで、改めて相談だ。その神の力を宿した君に、この日本、いや世界を救うために力を貸してほしい」 小林は頭を下げた。 「小林さん!?」 「我々警察や自衛隊は、混乱が始まって50年の間戦ってきた。しかし、天使や悪魔の能力に兵器など通用するはずもなく、莫大な金と、優秀な人材を失った」     
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!