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3.天使ならざる存在
「これは…。」
「その短剣は【召喚の短剣】。」
幸多が唱えると、短剣は炎を纏った光に包まれ、伸びていく。
「召喚の短剣…。」
「その短剣は使う人によって変わります。その名のように、唱えると剣を召喚します。あなたが召喚したのは、北欧神話の『レーヴァテイン』という武器です。」
(※レーヴァテインは様々な解釈があるが、ここでは剣ということにする。)
「そいつは便利な短剣だな。」
幸多はさらに体制を低くして、全力で前方に飛んだ。
相手の天使が両手を挙げて指一本一本に力をこめる。
そして、幸多の頭をに向けて腕を伸ばしてくる。
幸多はレーヴァテインを持ってる右手に左手を加え、そのまま両手で振り下ろす。
振り下ろす瞬間、黒々しいオーラがレーヴァテインを、包んだように見えた。
薄暗い部屋に、
空間が揺れ―、
空気が裂かれ―、
そして天使の声が響いた。
「やったか……?」
「まだですよ。幸多。」
「やっぱりあなた、契約してたのね。その剣、振り下ろす瞬間に黒々としたオーラが出ていた。まさか悪魔?
あの時見たのは、天使と契約したような光だったけれど…。」
フレイヤは幸多の後ろに姿を現した。
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