223人が本棚に入れています
本棚に追加
/172ページ
4.力
あれから数十時間後―。
「ん……。んぁ?私寝てた?」
ようやく、美奈が眠りから解放された。
「起きたか?長いこと寝てたぞ」
美奈は『あのこと』は知らないようなので、幸多は何事もなかったかのようにして、誤魔化すことにした。
「寝てたのか……。じゃあ、寝るね」
「また寝るのかよ!」
美奈は再び寝た。
「幸多。ちょっといいですか?」
すると、フレイヤが小さな声で言った。
「先ほど、家の周りに罠を設置しました。罠と言っても検知するだけなんですけど。これで、どこにいても侵入者があればすぐわかります」
「仕事がはぇなぁ。ありがとう」
「契約してるのですから当然です」
それからしばらくすると、スマホが震え出す。
「誰だろう。見たことない番号だな」
恐る恐る出てみることにした幸多。
『もしもし』
『おぉーーーー和原幸多くんの携帯でいいかな?』
『その声は……小林さん!?』
『やぁ、こんにちは』
『こんにちはです。小林さんどうしたんです?』
『昨夜、この近くに天使2体と悪魔1体が目撃された。天使2体のうちのどちらかと悪魔が戦闘したという痕跡が発見された』
『近くですか。戦闘していないもう片方の天使には、心当たりがありますよ』
最初のコメントを投稿しよう!