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2.侵入者
後日―。
「和原幸多です。よろしくお願いいたします」
「陸上自衛隊特殊作戦群特務中隊の二等陸佐 田川です。よろしく。小林さんから話は聞いてるよ、力を貸してくれるんだって?」
「はい」
「君の安全は、我々陸上自衛隊、そして警視庁公安部が保証するよ。協力に感謝します」
田川二等陸佐は敬礼をした。
その後、家まで送ってもらった幸多とフレイヤ。
「では、失礼します」
小林は車に乗り、ドアを閉めた。
やがて静かに車が発進し、幸多たちは見えなくなるまで、遠ざかる車を眺めていた。
「めんどうなことになったなぁ」
「私が契約してる以上、幸多が死ぬことはありえないので安心してください」
「それは助かる」
めんどうなことは勘弁してほしいと幸多が思いながら、玄関のドアノブに手を掛けた時―。
「幸多、待って」
突然、フレイヤが幸田の腕を掴んで止めた。
何かに気づいたようだ。
「家の中にあなたの妹以外に誰かいます。そして天使の気配も」
「何だって!?」
幸多とフレイヤは玄関から入ると危険と判断し、裏口に回った。
「幸多、これを」
裏口の前に着いたとき、幸多はフレイヤから短剣を渡された。
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