冷たい花

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冬も間近の11月。 「え、花梨、今日もいいの?」 放課後、文化祭の準備で教室に残る私を茜が心配する。 「うん、体育祭の時もろくに出来なかったし」 「でも、それは店があるから」 「いいの、文化祭はちゃんと手伝いたい」 店に私が居てもお邪魔なだけだもの。 文化祭でクラスとして出展するのは、カステラカフェ。 県のお土産の代表であるカステラを、同年代を含めて、若い人は好きじゃなかったりする。 それを食べやすくにアレンジして、有料で飲食してもらうカフェだ。 文化祭当日までに、教室の飾りつけやメニューの試作など、やることは沢山あった。 「トモくんのお迎えとか、遠慮なく言いなよ」 「ありがと。でも、それ、お父さんにさせるから」 ″ 文化祭もクリスマスも会えたらいいな ″ そう言った中本くんは、我が高の文化祭に、雅也くんと一緒に遊びに来てくれる。
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