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「私は、どこでも」
中本くんと一緒なら…。
「じゃ、とりあえずこれ、食ってくんね?」
中本くんが、綿菓子を私に差し出す。
「う」
私もそんなにこれは得意じゃない。甘い物が苦手なら、尚更これはキツイよね。
流し込もう。
「じゃ、お茶買ってくるね」
「いいよ、お前、そこ居ろよ」
「やだ。中本くんがまた捕まっちゃうもん」
「誰に?」
「飢えた女子校生に」
中本くんは、笑ってポケットから小銭を出した。
「じゃ、俺には烏龍茶」「OK」
私は、人目のない階段に中本くんを座らせて、確保したつもりで自販機に向かった。
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