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寄ってくるなりお父さんは、
「お前は…っ!」
中本くんの胸ぐらを掴んで、手を上げようとした。
「やめて!」
「お父さん!!暴力はダメですっ!」
一緒にいた華道部の先生に押さえられて、お父さんは渋々手を下ろしていた。
そうか。
最近、まともに口をきいてなくて忘れてたけど、 文化祭に合わせて、うちの花を学校に卸してるんだった。
そんなお父さんの手には、さっきほど捨てたコンドームが握られていた。
「…これは、お前のか?」
中本くんは、あっ…て顔をしたまま、何も返せずにいる。
絶対に誤解されてるーー
「花梨。帰りは迎えに行くから待ってなさい」
お父さんは、中本くんを睨み付けたまま、花を持ってこの場を去った。
「ね、あなたはうちの生徒じゃないわよね?大学生? 向こうで話せる?」
「…はい…」
中本くんは、先生に促されて、近くの指導室に入って行く。
私達は、そんなに悪い事をしたの?
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