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雷光22から発射された対地攻撃ミサイルが、白い煙を夜空に引いて、こちらに迫ってくる。タツオは一瞬ミサイルのコーンキャップを目にしたような気がした。あの三角錐の部分は超硬質のアルミニウム合金だ。黄色く塗られている。
両腕を広げたまま、雲山改のなかにタツオはとどまった。身体を半分に千切られて戦死したジャン・ピエールに、自分でもなにかを捧げたかったのかもしれない。戦術支援AIの忠告を無視したのだ。
ヴァーチャルな死の覚悟はできている。着弾の衝撃を全身で受けとり、眼前が炎で満たされたのは、ほんの一瞬だった。
「タツオ!」
そう叫んでいたのは、マルミだったのか、サイコだったのか。女性の声であるのは間違いないが、タツオには自分の名前の最初の一音しか聞こえなかった。
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