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タツオは歯ぎしりしながら絞りだした。
「頼む、それから、あの雷光を落とせないか」
ジャン・ピエールの身体をトミーガンで半分に千切った敵機だった。今は空中を滑るように動きながら、つぎの獲物を狙っている。
「こちらの現有戦力では困難です」
オモイは優秀な戦術支援AIではあるが、会話の裏側まで読まなければならないことがある。軍規には絶対忠実というAI則が組みこまれているので、軍規違反の提案をすることは原則的に不可能なのだ。その場合は、今回のように他の可能性を匂わせることになる。
「ほかの手段はあるのか」
「はい、わたしは正式にお勧めしませんが」
「教えてくれ」
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