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「設置が終わったら、ここに用はない。全機、侵入地点に集合してくれ。90秒待つ」
空港内の各所で散発的な戦闘は続いていたが、戦闘ロボットの雲山改は塩が引くように撤収を開始した。
タツオも上空から自分の雲山改に仮想体を移動させ、基地フェンスの切れ間に戻った。まだあれから37分しかたっていないのに、もう丸一日戦闘を続けてきたかのような疲労感と徒労感があった。これで勝ち戦といえるのだろうか。ジャン・ピエールの身体が吹き飛んだときの衝撃は忘れられない。最初は70機を超えていた雲山改は、半数近くにまで数を減らしていた。
「全員点呼だ」
タツオは胸がいっぱいだった。これが初めての実戦である。
「サイコ」「はい」
「マルミ」「はい」
「テル」「おう」
「クニ」「はーい」
「ジャクヤ」「ここにいるで」
「タツオキ」「ああ」
「カイ」「はい」
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