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「今は彼氏の家で同棲してるの」
続けた七海に凛はびっくりして漫画みたいにぽかんとしてしまう。
「あの、おばあさんって何歳…」
やっとのことで声を出した凛に七海は首を傾げる。
「八十三だったかな、あれ、八十四だったかな」
「彼氏って…」
遠慮がちにそれでも興味を押さえきれずに凛は聞く。
「ああ、シゲさん。七十後半だったかなあ。年下彼氏なの。でもそれくらいになるともう年齢差なんて関係なさそうだけどね」
「はあ」
「二人とも今夜来るはず」
「え?」
聞き返そうとしたが七海はもう次の部屋に向かいながら話し続けている。
「シゲさんと喧嘩したら戻ってくるから菊代ちゃんの部屋は残しといてって言われてるの。で、その隣が祐生の部屋。あとで本人に見せてもらったらいいよ。バービーちゃんたくさん持ってるから」
「祐生さんってここに住んでるんですか?え、バービーちゃん?」
びっくりしてもうさっきの疑問なんか忘れてしまう。
「言ってなかったっけ?祐生は居候なの。料理、洗濯、掃除、全部してくれるから助かっちゃう」
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