チーム・メガネ 始動

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 桜が咲き乱れる季節。  佐藤は上司に呼び出されていた。 「佐藤主任、ちょっといいかね?」 「伊藤課長、どうされました?」 「来月に控えた会社の創立記念日に、我が社の敷地内でお祭りイベントを行う。一般の方も来場される大きなイベントだ。つまり、会社の知名度を上げる為の特別な日。佐藤主任のグループも参加してくれたまえ」 「了解しました」  佐藤の務める会社は大きく、様々なレクリエーションを推進している。出来れば体を休めたいのだが、特別な日と言われたら参加せざるを得ない。  すぐにグループメンバーを集め、緊急会議を開いた。 「……という訳で、イベントに参加する事となった。私達は屋台の担当だ。山田、鈴木、田中。来場されるお客様を楽しませる為、全力で取り組むぞ。高橋は三人のフォローを頼む」  佐藤の纏めるグループは、常に営業成績トップのエリート集団。全員が高学歴で眼鏡を掛けている事から、チーム・メガネと呼ばれている。 「私の分析をお見せしましょう」 「俺に任せて下さい」 「女だからって、甘く見ないでね」 「全力でフォローします」  チーム・メガネはインテリの集まりだ。お祭りイベントでは誰も期待しないだろう。  だが、この者たちの底知れぬ力を侮ってはならない。  そして、特別な日の朝となった。
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