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「えーと。インターネットとか、普通の友達とか……」
「男か?」
アヤメは目を丸くし
「ば、お父さん何言ってんの?!意味分かんない!!」
陣九郎は深くうなずき
「お前も16か。俺も鬼じゃない。その内最強の遺伝子を受け継ぐ孫も欲しい。
その為にそれなりにではなく、各地に目をやり最強の忍を探してやっている。
くのいちが任務をまともにこなせなくなる三十路(みそじ)になったら見合いの縁をもうけてやるからそれまでは俺について、」
「み、三十路?!三十歳ってことー?!何それ?!絶対無理!!」
「まぁそう言うな。これから先、俺が隠居となれば、お前の肩には一族の全てがかかって来るのだぞ?
お前も16、少しは立場と言うものをだな」
「もう良い!!私寝る!!」
最近の日課となっている家出話を強制的に終わらせ、自室に向かう。
アヤメの部屋。
後ろ手でふすまを閉じると、一族によって代々飼われてきた月の輪熊の子供、ヨシロウがアヤメを見上げた。
アヤメは机に行き、イスを引き頭を抱えた。
「ホントお父さんは自分勝手なんだから!!
任務とこんな田舎暮らしの毎日なんて耐えられない!
大体三十歳まで恋愛が出来ないなんて絶対無理!!」
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