プロローグ

3/23
前へ
/23ページ
次へ
 明日は7月7日、机の隣には七夕の飾りがあった。  短冊を手に取り天井を見上げるアヤメ  「あーステキなイケメンさんとイチャイチャラブラブしたいなー。」  そう言いながら短冊にそれを書いたが、直ぐに丸めゴミ箱に投げた。  「えーっと……七夕の神様、こんな山奥じゃなくて、もっとムードのある街でイケメンさんと出会えますよーに。と」  少女らしい願い事を書き、イスに座ったままのびをし、あくびをすると電気を消して寝床に入った。  金太郎のような真っ赤な腹かけのヨシロウが布団に入ってくる。  「ヨシロー、私このままおばさんになっていくのなんかイヤだよー」  小さな子熊の頭を撫でているうちに修行疲れもあり、直ぐに眠気がきた。  アヤメはおかしな夢を見た。  気が付くと、目の前に白い狐が着物で立っている。  「ほむ、よしろうの言ったとおり、お主は素晴らしき力を持っておるな。  その力、欲している世界がある。  そこならお主の願い通り、恋とやらも出来るかも知れん。  どうだ?行ってみるか?」  「はっ?!キツネがしゃべった?!」  足元のヨシロウがアヤメの足をつつく 「アヤメがいつも頑張って修行してるから、ボクが狐の神様にお願いしてみたんだ。」     
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加